Gabriel Fauré : "Une Châtelaine en sa tour..." Op.110 (piano solo version)
ガブリエル・フォーレ(1845-1924):《天守夫人(塔の奥方) Op.110》(1918) (ピアノ独奏版)
Hiroaki Ooi, piano 大井浩明(ピアノ) [ Ссылка ]
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〈後光の中の ― ポール・ヴェルレーヌ〉
後光の中の聖女(サンタ)さま、
天主の窓の奥方さま、
人の言葉の伝えうる
優婉可憐(ゆうえんかれん)のことごとく、
森の遠くに鳴り渡る
金の音いろの狩の笛、
そのかみの世の上臈(じょうろう)の
優にやさしきおうようさ、
白鳥(はくちょう)の純粋無垢に
乙女妻ほほのほてりに
ほこりかに浮かぶ笑(えま)いの
あらわなるそのけざやかさ、
真珠母や白や桃いろ、
貴(あて)にしてやさしき楽(がく)や、
古代(むかし)めく汝(な)が名を思い出づるたび
わが目は映し、耳は聴く、これらのすべて。
(堀口大學・訳)
Une Sainte en son auréole - Paul Verlaine
Une Sainte en son auréole,
Une Châtelaine en sa tour,
Tout ce que contient la parole
Humaine de grâce et d'amour ;
La note d'or que fait entendre
Un cor dans le lointain des bois,
Mariée à la fierté tendre
Des nobles Dames d'autrefois ;
Avec cela le charme insigne
D'un frais sourire triomphant
Eclos dans des candeurs de cygne
Et des rougeurs de femme-enfant ;
Des Aspects nacrés, blancs et roses,
Un doux accord patricien :
Je vois, j'entends toutes ces choses
Dans son nom Carlovingien.
後光につつまれた聖女、
塔のなかの城主の奥方、
人間の言葉のなかに含まれる
ありとあらゆる優雅と愛。
森の遠くで角笛は
金(きん)の音(ね)いろを響かせる、
とおい昔の貴婦人たちの
やさしい誇りにふさわしい調べ。
白鳥のあどけなさ
娘妻の恥ずかしげな頰の赤みに
誇らかに花開くみずみずしい微笑(ほほえみ)の
心うばうこの上もない美しさ。
真珠母色の、白色の、また薔薇色のあで姿、
高貴にして甘い楽の音、
そうしたすべてを、私は眼で見、耳に聞く
あの女(ひと)の、カロリンガ王朝風の名のなかに。
(窪田般彌・訳)
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