ズメイ, by Wikipedia [ Ссылка ] / CC BY SA 3.0
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ズメイ
ズメイ、ズマイ、ズミーは東欧・中欧を代表するドラゴン。地域によって性格は全く異なる。ロシアの昔話や英雄詩ではズメイは悪役や勇士の敵という図式が一般的である。しかしバルカン地方ではズメイには守護竜としての性格が強く、邪悪な竜は、、、アジュダヤ、アジュダハ等とよばれる。
ロシア語ではで、ブルガリア語ズメイであるが、ウクライナ語やポーランド語ではズミー、セルビア・クロアチア語やスロベニア語ではズマイと称する。ルーマニア語のズメウも竜であるが、これは語源が異なるとの説がある
ポーランドではスモクと呼ばれる竜が伝わり(例:ヴァヴェルの竜)、ウクライナやベラルーシでもスモクまたはツモクと呼ばれる竜の民間伝承がある。また、幾つかのスラブ地域では、スモクはただの蛇だが、齢を重ねると竜となるという伝説が存在する。
セルビア・クロアチア語のズマイ(zmaj「竜」)やゼムリャ(zemlja「大地」)の語根は スラヴ祖語 zbm および インド・ヨーロッパ祖語 *ḡhdem に由来するとの説がクロアチアの言語学者によって提唱されている。
各言語により綴りは(格変化や複数形を含めれば)それぞれ異なる:ロシア語ズメイ( zmei、複数形: zmei);ウクライナ語ズミー( zmi、複数形: zmiyi)、 ブルガリア語ズメイ( zmei、複数形: zmeiove); ポーランド語ズミー(、複数形: żmije);セルビア語ズマイ(、複数形)クロアチア語ズマイ(、複数形: "zmàjevi"); スロベニア語ズマイ("zmaj" "zmáj" or "zmàj" (複数形: "zmáji" or "zmáji")。ルーマニアの竜や竜人は「ズメウ」と呼ばれるが、他のスラブ語の竜の名詞とは語源が異なるとの説がある。
ルーシ(ロシア、ベラルーシ、ウクライナ)の「ズメイ」は、じつに多数の昔話に登場するが、「竜」・「大蛇」などと訳出される場合も、ズメイという名前の人間(か超人・竜人)の場合もみられる。
(「山の息子の竜」の意)の場合、3つ首以上、多ければ12の体幹を持つと表現され、火や毒を噴くなど、歴然とした一般の「竜」のイメージで描かれる。
約束をたがえるズメイ竜は「ドブルイニャと竜」のに登場する。ある稿本ではズメイ・ゴルイニチの名を持つが、異本では名のない雌である。この竜は勇者にをし、ロシアの人をさらわない誓約で赦されたが、
すぐさま姫を拉致する行動に出、一般人もさらって洞窟に幽閉していた。雌竜とされる稿本では騎乗した勇者が小竜を踏み蹴散らしたことに憤慨する。退治された竜の血をロシアの大地は吸いとることを拒み、勇者は血の池に浸かって難儀したが、「汝、母なる大地よ、口を開けて竜の血を吸い込んでおくれ」と唱ると、ようやく大地が割けて竜の血が吸い込まれた。
トゥガーリン・ズメエヴィチは、「竜の子」という父称をもち、竜の姿にも変身する悪役で、擬人化された部分が大きく、「竜人」ともいうべきである。翼をもち、上空を飛翔することもできる。祈願により降らされた雨で飛べなくなり、勇者にされる。昔話の他ブィリーナとしても歌われる。
また、ズメイは人間に変身して女性を誘惑する(ロシア民話「」の異本204, 205)。ひとつの異本では、ズメイ・ゴルイニチがイワン皇子の妹を誘惑し、結託して皇子を亡き者にしようとする。妹姫は仮病をつかい、狼・熊・獅子の乳を求める危険をイヴァンに冒させた。この作戦は失敗するが、イワンが手なづけている犬・狼・熊・獅子たちを失うとズメイは恐怖を失い、大口を開け正体を現してイワンを食べる仕草をした。別本ではズメイ・ズメエヴィチ(「蛇の子の蛇」)とイワン皇子の妻が不義を働き、話筋は同様に展開する。
別の昔話ではズメイ・ズメエヴィチは皇帝である。
(、複数形)も、やはり多頭の竜で、ロシア民話の異本などに登場する。チュドー=ユドーは、水棲の竜であり、異なる個体は異なる数の頭を持っていた。人間のように馬にまたがるという描写もされる。ただし、ある解説によれば、チュドー=ユドーとは特別な種類の竜の名称などではなく、単に「怪物」を意味する「チュドーヴィシチェ」()と同じとみなすべきで、「ユドー」という語尾は、ただ脚韻を踏むためのみに追加された語根だという。
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