作曲家のトイドラが、Steely Dan の『Deacon Blues』を分析します。
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〈Steely Dan〉
ニューヨーク出身のロックバンドで、グラミー賞をとったうえロックの殿堂入り。
ジャズやブルースの影響を受けた難解なコード進行に、現代詩的で難解な歌詞が特徴的。
演奏に完璧主義的なこだわりがあり、ライブ演奏の完成度が異常。
☆☆☆訂正☆☆☆
・7:29 のⅢm7は「Fm7」ではなく「F#m7」でした!
〈総評〉
【楽式】
・バース-コーラス形式。
→バースの中に部分転調を含むのが特徴的。
【リズム】
・メロディはサビ以外リズム感が薄く、語りのような雰囲気。
→サビでハッキリしたリズムになるメリハリが気持ちいい。
・Drums のビートは相当に単純。
【メロディ・和声】
・メロディは狭い音域(長9度)をよく生かしたもの。
・和声が非常に捻られており、DとSの区別がつきづらい。
→属和音はVm7の形で使われ、解決感が薄い。
→短3度上に解決する謎のドミナント7th。「#IVm7-5 - IVM7」の派生とみなせる。
→キメに単純なドミナントを使わない天邪鬼さ。
→随所にみられる4度堆積。
☆ただし泣かせどころでは典型的なII-V-Iを用いており、メリハリがある。
・ドミナント7thコードが頻出するが、ドミナント機能として用いられない。
→とにかく徹底的にD進行しない。
→blues の影響(トニックやサブドミナント和音のドミナント7th化・弱進行)。
・ノンダイアトニックコードが非常に多く茫洋としている。
→意外な代理コードやモーダルインターチェンジを導入し、コード進行を複雑化。
・前奏のあからさまな反復進行が効果的。
・ホーンセクションのヴォイシングがかなり独特。
→4度堆積の状態で平行移動しぶつかり続ける! ふつうやらない動き。
→テンション・ノートを下の声部に置き、あえて濁らせる。
【表現】
・とにかく予想通りの和音に進もうとしない偏屈さが、難解な歌詞とよく合っている。
・blues の音楽性に難解な和声やヴォイシングを混ぜ合わせた独特さ。
→本来の blues はコード進行がとても単純(3コード)。
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作曲家のトイドラ → [ Ссылка ]
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