第3回 SPARC Japan セミナー2016
「科学的知識創成の新たな標準基盤へ向けて : オープンサイエンス再考」
Open Science in a European Perspective
Ron Dekker(European Commission (DG Research & Innovation))
CC-BY
■講演要旨
オープンサイエンスは政治的な課題として重要になっている。2016年に欧州理事会でオランダが議長国となっている間に,28加盟国はオープンサイエンスに関するEU競争力担当相理事会の結論を採択し,オープンサイエンスに関するアムステルダム行動要請(仮訳,Amsterdam Call for Action on Open Science)を表明したオープンサイエンスの会議があった。欧州委員会はヨーロッパオープンサイエンスアジェンダを策定し,オープンサイエンスクラウドやオルトメトリクスといったテーマでいくつかの専門家グループを設置した。またEU加盟の数カ国では国家的にオープンサイエンスポリシーや戦略を制定している。
その他,大学や出版者,資金配分機関等のステークホルダーもまた市民科学を含むオープンサイエンスの活動に関わっている。同時に,例えば学術情報流通の方法といったことへの重要な変更は先行者不利益によって阻害され,大きな財政的な再分配を必要とする。
そしていま,われわれはどのような状況にいるのか。どのようにオープンサイエンスエコシステムの変化を誘導できるか。どのようにして出版への配慮をしつつ,オープンアクセスへの移行を触媒し変化を起こすことができるか。さらに,研究データシェアリングを促進するためには何が必要とされるか。
本講演では,ヨーロッパの状況と上記の課題について述べるとともに,可能な解決策についての論議を呼び起こしたい。また出版や研究データについて主に語る一方で,オープンサイエンスの他の側面やイノベーションを含めた一般的な科学と社会の関係についても触れたい。
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