0:05 (1)はじめに
0:31 (2)適応障害対策はストレス対策
2:31 (3)適応障害の治し方5つ
2:39 ①環境調整
4:10 ②自己覚知(セルフモニタリング)
6:12 ③ストレス発散法の改善
7:19 ④考え方の調整
8:20 ⑤生活面の対策
9:04 ⑥薬物療法
9:50 (4)まとめ
適応障害は強い「ストレス反応」のため、治し方も「ストレス対策」が主体になります。一方でストレスへの対策は様々な角度で行っていく必要があります。
「適応障害の治し方6つ」につき、精神科医が要点を約11分の動画にまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
こころ診療所吉祥寺駅前 [ Ссылка ]
府中こころ診療所 [ Ссылка ]
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↓↓内容の詳細は下記になります。
(1)はじめに
今回は「適応障害の治し方6つ」について解説いたします。よろしくお願いします。
「適応障害」はどう治せばよいのでしょうか。
ストレスから離れると早目に改善することも少なくありません。一方、繰り返すことや長く続くこともあります。
そうした面も含めてどう治していけばいいでしょうか。
今回は「適応障害の治し方6つ」について解説いたします。
(2)適応障害の改善はストレス対策
「ストレスを減らすためのさまざまな対策を」です。
<適応障害とは>
適応障害は「ストレスへの反応によるさまざまなうつ状態」です。
脳の不調はないとされまして、ストレスから離れると改善するとされます。
ストレス対策が治療の柱があります。
<ストレスを浴槽に例えると>
ストレスを浴槽に例えます。
お風呂があって水がたまってくると。そして水を出すがあって、このバランスによって「ストレスがたまるか」が決まります。
そして出すよりもたまるが多ければたまってきてあふれて症状が出てしまう。その耐性(容量)というのも一つ問題になってきます。
ストレスをあふれさせない対策は、まずは「ためない」。そして「なるべく発散する」、そして「耐性をつける」というこの3つになってきます。
①ためない
まずは嫌なことがあっても、なるべく「受け流して」ためるのを減らす話。
そしてストレスがたまりにくい「環境選びをするという話。
そして「考えすぎない」自分でストレスを溜めてしまわないということが大事です。
②発散する
これはストレスの発散もありますし、休養を確保こともあります。
そして、自分に「プラスの声掛け」をしていってある種発散するところもあるかと思います。
③耐性をつける
これはまずは「生活の土台のところを安定させる」ところが一つ。
そして「自分の軸を明確化する」がもう一つ。
あとは「自分の状態を知って受け入れていく」マインドフルネスというやり方もあります。
<適応障害の治療>
まずは外のストレスへの「環境調整」があります。
そして、内側のストレスにはいろんな「ストレスマネジメント」があります。
そして、補助的に「薬物療法」をすることもあります。
<ストレスマネジメントの要素>
まずは土台としての「自己覚知」セルフモニタリングがあります。
その中で「ストレス発散法の改善」、もう一つが「考え方の調整」、そして「生活面・土台の改善」があります。
(3)適応障害の治し方6つ
さまざまな角度からストレス対策をとっていきます。
①環境調整
外からのストレスを減らす方法です。
<環境調整とは>
環境調整は、自分の環境を変えることで、外的なストレスを減らす方法です。
外的なストレスが大きい時に関しては大きな効果を見込みます。
また、転職など大きな方法もありますが、より細かい方法でも効果を見込める場合があります。
<大きな環境調整の例>
まずは仕事であれば転職をするという話。
学校であれば転校するという話もあるかもしれません。
あとは家であれば、離婚であったり、別居するという方も中にはいらっしゃいます。
<より小さい環境調整の例>
まずは仕事なら上司と「仕事のやり方の話し合い」をする。
学校であれば「席替え」などを相談する話もあるかもしれません。
また「家族で話し合い」をして、色々なやり方を調整することもあります。
<環境調整が有効な場合>
特定のストレスが大きいという場合には、これが有効です。
そして、適応障害をあまり繰り返していない場合、他の環境では大丈夫という場合には効果が見込めます。
そして、ストレスを溜めやすい要素があまり目立たない時、これも有効性を期待します。
<環境調整に限界がある場合>
まずは外側の特定のストレスが必ずしも大きくない場合、この場合、環境を変えてもあまり変わらないかもしれません。
あとは「適応障害を繰り返す」という場合、これは環境を変えるだけでは変わらない可能性もあります。
そして、「ストレスをためやすいところが目立つ」、この場合はそこの対策が必要になることもあります。
②自己覚知(セルフモニタリング)
「自分を知ることが対策への第1歩」です。
<自己覚知(セルフモニタリング)とは>
主には「自分の状態を知る」「自分の長所や短所を知っていく」「自分の特性や色んなことの相性を知る」の3つです。
1)自分の状態を知る
これは自分の状態を観察して、その行動などを調整していくことです。
そして、何が感情の問題であるかを知っていくことがあります。
その中で、特に自分にとっての「不調の前触れを知って対策を取っていくこと」が特に大事になってきます。
2)自分の長所と短所を知る
長所を生かして、それを生かせる環境を選んでいくことが大事です。
一方、短所に関しては、なるべくカバーをするんだけども、限界があるということを知った上で、カバーの取り組みをするのが良いかと思われます。
そして「自分が思う」長所、短所と「外から見て」の長所などはえてして違うことが多いですので、そこは知っておくことが大事です。
3)特性と相性を知る
まずは「自分の特性や傾向を知る」。
そしてその上で環境や人との相性、この環境ならいいけど、この環境は合わないなどをしっかり知っていくことが大事です。
そして、自分でもそれを知っておくことが大事なんですけど、「外から見ての」特性や相性というのも場合によっては参考になることもあります。
<苦手なら意識的に観察するマインドフルネス>
この「自己覚知」には、得意と苦手があります。
苦手であれば、意識的に取り組むいわゆる「マインドフルネス」が有効ともされます。
マインドフルネスは、自分のまず「今の状態」に集中して観察していく方法です。
まずは、「自分の体の状態」を見て集中することは一つ大事です。
これができるようになって、慣れてきたら「感情」であったり、「考えているところ」にも集中して観察するができれば、色々有効です。
③発散法の改善
「より効果的にストレスを発散する」ことです。
<発散法の改善>
まずストレス発散を十分に行い、ためないようにするのが、非常に大事です。
一方色々な状況があり、そこに対応できるよう幅広い方法を持っていくことが大事です。
そして「自分に合った方法」より効率のいい方法を探っていくのも大事です。
<幅広い方法を持つ>
例えば仕事が忙しい場合は時間を掛けての発散というのは、現実的に困難です。
そうした場合は「短時間でシンプルな方法」も準備していくことが大事です。
そのほか、人がいる時いない時による違いとか、制約条件に対応する幅広い方法を持っておくことが大事です。
<自分に合った方法>」
「今している発散法が、本当に合っているか」。
これは発散して、その結果がどうかどれぐらい発散できたかを見て「行動分析」をしていきまして振り返っていくことが大事です。
そして振り返った上でより相性が良くて効率が良い発散方法に徐々に置き換えていくことが技術的には大事です。
④考え方の調整
「自分で自分を追い詰めていないか」。
<考えのくせとストレス>
「考えること」こと自体は、本来、問題解決などの大事なところでもあります。
一方で、いわゆる「ぐるぐる思考(反すう思考)」なのであれば、これはどんどん逆効果になってしまいます。
また、自分を追い詰める考える癖があれば、それ自体がストレスにつながってしまいます。
<考えのくせの例>
まず1つ目は、「過度の自責」自分を責めてぐるぐる考えが回ってしまう場合。
あとはいわゆる「べき思考」こうでなければならないというのが強いと自分を追い詰めてしまいます。
あとは「全か無か思考」完全でないと駄目と思ってしまうと、これは自分を追い詰めてしまいます。
<考えのくせの対策>
まずは「自分のくせ」どういうくせがあるかを知るということが第1歩です。
その上で、そのくせがあれば、それを減らすように意識的に日々取り組んでいくというのが2つ目です。
ただ、それでもどうしても「困難が根強いくせ」に関しては「視点を変えてみる」等より専門的な方法を探っていくことです。
⑤生活面の対策
「ストレスへの余力が対策にも大事」です。
<生活面の対策>
まずは「生活のリズム」をしっかり確保する。
そして「睡眠時間」をしっかり確保する。
あとは「疲労の対策」をしっかりします。
<シンプルにできる対策>
まず「運動する習慣」。これは発散にもなりますし、リズム改善にも役立ちます。
また「睡眠衛生の対策」眠りの環境を整えることによって、睡眠を改善するというのは取り組みやすいところです。
あとは「自覚的な休養の確保」です。意識的に休める時に休むを習慣にしていくのも大事なことです。
⑥薬物療法
「補助的に薬を使うことが」あります。
<薬は補助的に使う>
うつ病のように脳に働きかけるような直接的な効果は見込みにくいところがあります。
一方で、不眠や考え過ぎなど悪循環があった時に薬が有効になる場合があります。
そして、うつ病に移行しそうな場合というのが現実的にあるので、その時も薬の必要性が高いです。
<使いうる薬の例>
1)睡眠薬
不眠に伴っての悪循環をさけるために使うことがあります。
2)抗不安薬
不安で考えすぎる「ぐるぐる思考になる」悪循環を断つために使うことがあります。
3)抗うつ薬
うつ病への移行を防ぐ、そして不安への効果も見込むところがあります。
(4)まとめ
今回は「適応障害の治し方6つ」について見てきました。
適応障害は「ストレス反応」でありまして、その対策の土台も「ストレス対策」です。以下の6つが代表的な方法です。
①環境調整
②セルフモニタリング(自己覚知)
③ストレスの発散法の改善
④考え方の調整
⑤生活面の対策
⑥補助的な薬物療法
取り組みやすく、かつ重要性が高いところから順番に取り組んでいき、適応障害の治癒と再発予防を目指していきます。
こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)
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【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。
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